…杏菜。(相手からの真っ直ぐな言葉に先程迄のからかいの色は微塵も無く只愛おしげに顔を緩ませては顔を上げて此方を見詰める相手に一度背中を撫でる手を止め、赤らんだ顔を見詰め返していれば不意に響く扉のノック音に一度視線を相手から外し扉のある方向へと視線を走らせて。来客者を告げるであろう其れは普段なら自分が対応しなければいけないのだが立ち上がらず、悪戯っぽく微笑みを浮かべては片手の人差し指を相手の唇に当てて)