打ち止め 2013-11-01 18:35:18 |
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(青ざめ、震えている彼女を見て、やっと理性が戻る。)
(掴んでいた両腕を払い落として、一方通行は俯いた。)
……怪我なンかしてるワケねェだろーが
(顔には影がかかっていて、どんな表情をしているのかは分からない。けれど、ここからは立ち入らないでくれと全身が叫んでいた。)
(打ち止めも幼いが、一方通行もまだ「日常」になれていなかった。彼の「日常」は、今となっては悪夢となっているあの実験漬けにされた日々なのだから。)
…出てけ…………………………………出てけ!!
(いくら頭でこれが「日常」なのだと訴えても、数時間前に自分が行った悪逆非道の行いが、それを否定する。)
(それは変えようのない事実で、「仕事」をしなければこの「学園都市」で彼は生きていけない。かつての力を失ったとはいえ、まだ彼は第一位なのだ。危険視されている彼を学園都市という檻から出すには、彼は強大な力を持ちすぎていた。自分はまだ使い道があると、示さなければいけなかった。)
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