主 2013-10-06 20:33:55 |
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・・・ありがとうございます。直ぐに用意しますね。
(相手の先の行動と、美味しそうな匂いだ、という言葉に素直に微笑みながら、少しよわく上記を言えば、ベッドから出て、ご飯を温める。その日初めて、彼と囲んだ食卓は、暖かく、とても安心感のあるものだった。
―――翌朝。いつも通り朝早く起きれば、郵便受けを確認する。すると、中には珍しく手紙が入っていて。取り出すとそれは上質な紙で出来た封筒、そして――――あの人の文字。この癖のある文字は。一瞬心臓が止まった。ごくりと唾を飲み込めば、若干震える手で封筒を開ける。ゆっくりと紙を開き、恐々と中を見れば、「――――11日、あなたの元へ伺います―――。」と乱雑な文字。―――・・・11日。それはつまり―――・・・今日。思わず辺りを見渡すが、人の姿は見えない。そのことにホッと一息つき
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