トピ主 2013-09-23 04:28:23 |
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負けた気がする……。
(先程から必死な己に対して、何処か余裕を感じさせる相手の言葉と仕草にそう呟いて。年で言えば全く変わりは無いと言うのに、此の男は、いつも自分の一歩先を歩いているように感じてしまう。懸命に走っても追いつけなくて、必死に腕を伸ばしても掴めない。ふいに此方を向いたかと思えば、また何処かへ行ってしまう。その後の言葉もどこか達観しているような口振りで、あの女生徒の事を考えると居た堪れなかった。「正気の沙汰じゃないなんて、そんな言い方は無いだろ! あの子だって、お前の良い所を見て、好きになって……」そこまで言ってから、はっと口を閉ざす。こんなに必死になる筋合いは、自分には無いというのに。何故か、どこかシンクロでもしたような気持ちになって、つい言葉が出てきた。ぎゅっと箸を握り締めれば、相手から視線を逸らして)
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