t. 2013-08-23 20:06:27 |
通報 |
______、
(昏睡する意識の中、彼女が部屋を出ていく音がする。寄りかかった椅子の背もたれは何時もより冷たい気がした。___寒い。のに体は汗が流れてる。___僕は、何をしているんだ。仮にもお嬢様。僕は執事。何も変わらない立場。はは、本当に阿呆らしい。有難う、口を開けてそう続けた。ゆっくりと壁に手を這わせて立ち上がる。「____ありが、と。」そう続けて部屋を出た。おぼつかない足を働かせて取り敢えず執務室に入る。___僕の部屋の鍵。)
___すみません、熱が出て。
(一番逢いたくない人と逢って、しまった。僕が一番誰よりも尊敬するひと。彼は相変わらず無愛想に鼻を鳴らした。__そうだ。何言ってるんだろうか。何よりも自分の事情ばかり優先させて、仮にも下の部下なんだ。「___仕事を、やらせてください、っ」己を追い出そうとした彼を見上げた。僕はまだ頑張れる、頑張れるから捨て、ないで)
トピック検索 |