…月が綺麗ですね、なんて。 (闇に濡れる自室、ベッドに腰掛けた状態で半分カーテンを開けた窓を眺め。真黒の中に青白く浮かび上がる満月に瞳細め、唇端から漏らすような一人言を呟いては片手ゆるりと持ち上げ硝子をなぞり。指へ伝わる無機質な硝子の冷たさに半ば自嘲的に小さく笑うと、額をこつりと窓へ付けて瞼を閉じ。)