主 2013-07-24 22:29:43 |
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ハッ、ハッ、ハッ…
( 炎天下。嫌になるくらい眩しい太陽の下で、息を切らし走る。…時間はまだ大丈夫なはず。駅を出た途端人ごみを縫うようにかけては、腕時計を見てそんなことを考える。今日も、自分の世話役であるあの人は、おそらく誰よりも早く出社し仕事をしているのだろう。その事実に申し訳なさに似た何かを感じ、こうしてまだ時間に余裕があるにもかかわらず走っている。暫く走っていると、やっと会社が見えてきて。立ち止まり、もう一度時計を確認してみる。…うん、大丈夫なはず。小さく息を吐き、顔を上げ自分の仕事場である階を見上げれば、「今日は俺が一番乗りな筈…」などと呟き。ビルに入りエレベーターに乗り込めば、軽く汗をぬぐい髪やスーツを整え。目的の階につけば、早歩き気味で自分のオフィスへと向かって。開け放たれている扉の前に立てば、また深呼吸をし、誰もいない事を願って「お、おはようございます」などと言って。そしてきょろきょろとあたりを見渡せば、目に入ったのは自分の世話役で。どんだけ早く来てんだよ…などと思いながら小さな声で、おはようございます、今日も早いですね…などと声を掛けみて。 )
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