うん子垂れ蔵 2013-07-11 00:53:14 |
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出口を出て俺を待っていたのは甘い花の香りでもなく、爽やかに流れる空気でもなく、ましてやファンタジーなんて可愛らしいものじゃなかった。
どろりと重たい鉄の匂いだ。
「これは血……だよな…。」
よく回らない頭を精一杯動かす。
だが、よく理解ができない。
心臓がバクバクとなる。
体がじわじわと熱くなる。
少しカタカタと震えり足を動かし何故か香りのする方へ近づく。
鉄の匂いが体が重くなるほど重く、そして、ドロリと俺をつつむ。
歩くたびにピシャリピシャリと液体がはねる。
そして、つま先に生暖かい何があたった。
「これは…これは、にっ、肉…。」
何かの肉。つまり死体。なんのとは分からない。だが、これを何かの死体と脳が理解した瞬間足がかわいそうなほど震え体が全身から冷たい汗が吹き出る。
だが、
だが、嫌でわなかった。
この匂いが、感覚が
まるで体を焼いてるように熱くさせる。
喉はカラカラと乾き水なんかでは癒せそうにない。
だが、目の前の肉の塊なら癒せそうで、その肉のが欲しくて欲しくてたまらない。その生暖かい肉にかぶりつき、血を浴びるように飲みたい。骨までもがもったいなくてしゃぶりたい。
「なっ、なんだよこれッ!なんだよッ!まるでッ、まるで!!」
鉄の匂いが甘すぎて。
「本物の化け物じゃねーかッ!!!!」
狂ったように噛み付いた。
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