主 2013-06-29 19:40:54 |
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(大丈夫ですよ~!)
……ッ…(もしかして私の、"幼なじみなのでは?"そう続けようとしたのでないか?続く言葉を待っていても、彼女から出てくるのは彼女には似合わない大粒の涙で。何故続く言葉を言わなかったのだろうか、彼女はきっと俺が幼なじみの笠井祥太で、子供ながらの恋心で結婚の約束をした相手だと気付いているのだろう。そこまで考えていると彼女からは、作ったような笑顔と、なんでもないとの言葉が発せられて。俺を幼なじみとして認めたくないのだろうか、もう思い出したくないのだろうか、思い出として、あの頃の笠井祥太は俺とは別人だとされてしまうのだろうか。そう考えながら自然と右手は握り拳を作っていて。「…俺にも昔、結婚の約束をした子がいたんだ。もう、13年も経つけど、」じっと相手の顔を見て、弱い自分なりの、精一杯の覚悟と勇気を持って「さっきは、嘘ついて、ひどいこと言ってごめん」と先ずは謝罪をして、身を乗り出すように「俺は、悠ちゃんの幼なじみ。笠井祥太だよ」と泣きそうになりながらも述べて)
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