主 2013-06-22 18:50:00 |
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――かず、さ…?
(廊下を歩けども行き場など見つからず、結局相手がよく訪れていた屋上に足が向いてしまい。相手のいない屋上など行っても意味などないというのに、それでも無意識に向かってしまうのは罪悪感からか今もくすぶり続ける恋心故か、相手はもしかしたらもう自分などどうでもいいかもしれないのにそんな自問自答を繰り返しながら屋上へ繋がる重たい扉を押し開いて。冷たい風と共に吹き込んでくる雪に思わず目を細めた先に見えた人影、こんな時期に屋上に訪れる奇特な人間が自分以外にも居たのかと目を凝らしてみれば、その姿が自分が散々心に浮かべていた彼だと分かり。具合は良くなったのか、いつから学校に来ていたのか、自分のことを怒っているんじゃないか、今までぐるぐると脳内を回っていた疑問が一気に流れていく中、どくどくと高鳴る鼓動を押さえ歩みを進めると言いたいことはたくさんあるのにどうにも上手く言葉に出来ない唇から零れたような小さな呼びかけを向けて。)
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