主 2013-06-22 18:50:00 |
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――わかった。
(半ば無理矢理相手を誘い出したあの喫茶店が候補として思い浮かばなかったわけではない。彼からの提案は今の状況への助け船、そして“前回のデートと同じ場所を指定したらがっかりさせるだろうか”と、少し難しく考えてしまっていた己を安心させるという二重の効果があり。相手の優しさが滲む言動に胸の奥が温まるような感覚を覚え、心地よい温もりを腕に抱いたまま素直に承諾の意を見せた後、そっと相手から離れ正面から改めて見つめては漸くふっと柔らかな笑みを浮かべ。「椿…」愛しげな声音で自然とその名を口にしたかと思うと軽く唇を重ねて。再度見つめ直せば「…じゃあ、早速行くか」と声をかけ)
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