主 2013-06-22 18:50:00 |
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…お、れも…。打ち上げはすごく楽しかったんだけど、さ…。…やっぱり、段々…その、恋しくなって、きて…。
(悔しげに視線を逸らす相手にしてやったとばかりに内心ほくそ笑みながら彼の忠告にあったように視線を前に戻しぐっと伸びをすると、澄んだ冷たい夜の空気を肺一杯に取り込むように深く息をついて。そんな時に背後から掛けられた素直というか甘いというか、会いたかったなどという所謂恋人らしい台詞を耳にし前に突きだし伸ばしていた腕をそっと下げると、ぼそりと呟くような声で言葉を返し。先程までは此方が断然上手に回っていた筈なのにいきなりのそのストレートな言葉に思わず照れてしまったらしく、ほのかに頬の赤みを強めながら隣に並んできた相手を伏し目がちにしたままちらりと視線だけ向けて見つめるようにし。その視線を向けたまま何処と無く高揚した想いがにじみ出たような正に恋をしている、という感じの何とも言えない笑みにも似た表情で相手の荷物の紐を軽く引くと「…うち行くの、ちょっとだけ急ぎたいなー…とか…思うんだけ、ど…。」と遠慮がちに声を掛け、すぐに視線を恥じらうように逸らして。その言葉が言わんとすることは勿論"早く家に帰って甘い時間を"などという乙女思考なのだが、それが相手の言葉で余計に煽られてしまったらしく焦れたように唇をきゅ、と少しきつく結ぶと意識してかはたまた無意識かじわじわと僅かながら歩調が速まっていて。)
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