主 2013-06-22 18:50:00 |
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ッ、…!
(堪えようと抑え込んで居たのにとうとう言ってしまった、隠しきりたかったはずの感情を相手に伝えてしまったことが今更どうにも出来ないくらいの大きな不安や後悔となり背骨を伝ってくるようにぞくぞくと全身に広がり。嫉妬の感情を抱く本人が女であればやきもちなんて可愛い言葉のように愛らしいものだっただろうが男がそれを抱けばただの独占欲とどろどろに煮詰めたような重たい感情としか自分ならば思えず、そんな考えが尚更自己嫌悪に拍車を掛けて。悶々と思い詰め始めた最中不意に傍に感じた相手の匂いと、それに混じって仄かに感じた甘ったるい女が好みそうな香りに顔を上げると今度は逃げられそうもないほどにしっかりと相手の腕に捕らわれ思わず息をつめ。)
…どんだけ、重たくなっても…周りが引くくらいの酷い嫉妬になっても、それでもちゃんと愛してくれんの…ッ?
(恐らく香水か何かの移り香なのだろう、予想するまでもない甘ったるい香りの持ち主のことを考えまたしても腕を突っぱねようかとした時、彼の口から放たれた嫌悪など欠片もない真摯な言葉に抵抗を忘れ。先程嫌がったばかりの手で撫でられることも気にならなくなるくらい、強く温かく胸に響いたその言葉にやっと収まり掛けていたというのにまた目の奥が熱くなるのを感じると浴衣の合わせから覗く相手の首もとに鼻先を埋めるように密着し。自責の念に駆られ暗く落ち込んだ心を温めてくれるような彼の行動にぼそぼそとした小さな声で言葉を返すと胸に当てていた手をそっと相手の胸板に滑らせ、しがみつくと言うのが憚られる程の弱々しい力で浴衣の一部を握り。)
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