主 2013-06-22 18:50:00 |
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(少し恥ずかしいことをしてしまったと自覚はしていた、けれど彼が起きていては自分の感情を己のために抑えてくれている相手にあまりにも無責任な行動だと分かっていたからこそこうして寝ていた、と自分では思っていた彼にこんなことをしたというのに。背後から捕まれた腕、完璧に油断していたせいでそれだけの行動に大袈裟な程肩を跳ねさせてしまって。すぐさま振り返ることは出来ずゆっくりと、恐る恐る後ろを向けば仄かに明るいカーテン越しの窓を背に向けているせいで表情は全く分からないもののそこには確かに寝ていたはずの彼が立っていて。)
ッ、…ぁ…ご、めん…起こした、みたいで…。なんか、その…喉渇いて、水飲みにきて…そ、れで……ーーご、め…変なこと、して…。
(気付かれてしまった、恥ずかしい、きっとからかって楽しんでいるとでも誤解されてしまった、呆れられた。一瞬にして脳みそにそれだけのことが一気に巡りどんどん呼吸が短く、苦しくなっていき。今まで幾度となく適当な言い訳を紡ぎだした口がこんなときに限って震えてまともなことが言えなくて、次第に言葉が尻すぼみに小さくなっていくのと一緒にどうしても彼の顔を見れる自信がなくて俯いてしまい。恥ずかしかっただけだった先程とは違い、暴力や軽蔑なんかで得る恐怖など軽いと言えるほど相手に嫌われてしまうんじゃないかと本気で怖くなった。羞恥、後悔、恐怖。その三つの感情が思いを悪い方向で昂らせてしまっているのかもう何も言えなくなってしまった唇をきつく噛み締めると、真っ赤になった顔で瞳に涙を滲ませ。)
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