主 2013-06-22 18:50:00 |
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(ソファの肘掛けと思われる部分に見えた相手の黒い髪、加えて微かに聞こえる寝息から彼が確実に寝ていることを確認できて。ほっと胸を撫で下ろしキッチンの方へ音を立てないようにそろりそろりと歩んでいき、適当に出してあったコップを使い水を一杯水道から注ぐと自分で思っていたよりも割と喉が渇いていたらしくごくごくとそれを一気に飲み干し。コップを軽く洗い使ったことは分かるようにとキッチン台のところにことりと置くと、何となく出来心で相手の寝顔でも覗きにとその傍へ近寄っていって。)
ーー…こいつ、俺が来るの読んでた訳じゃないよな…。
(寝ている時くらい気を抜いているだろうと思った予想は外れ顔を隠したような状態で眠る彼、思春期の頃は寝顔を見られたくないという感情がよく湧くことは心得ていたがそれでも少し残念で。小さなため息と共にぽつりと独り言を漏らすと起こさないように気を付けながらそっと相手の髪に指を通し、そのさらりとした感触を暫し楽しんだ後軽く相手の頭を撫でると「…ごめん、ずっと返事出来なくて。」と囁き。自分にも好意はあるしそれが所謂恋という感情だということもそろそろ自覚した、それでもこの先のお互いのことを考えるとどうしても素直に頷くことがままならず。そんな素直になりきれない想いを込めるように寝息を立てる彼の頬に微かに触れる程度の口づけをそっと贈るとそのまま彼を起こさないようにそそくさとリビングを後にし。)
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