主 2013-06-22 18:50:00 |
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(寝室を出てリビングに戻ると取り敢えずソファーに腰を降ろし、未だ鼓動を刻む速度を落とそうとしない心臓を落ち着かせるように息をつき。僅かでも気を抜けば切れてしまいそうな理性を己にしてはよく保ったと思う。懸命に悩み答えを出そうとしている相手を待とうという思いに反し、強引に捩じ伏せてでも欲しいという思いも確かにあって。今日は偶々幾つかの条件が重なり一緒に過ごす事になったが、明日からはまた互いに元の生活に戻る事になる。相手の事を考えれば学校での接触は出来る限り控えなければならず、相手を独占出来るのは今だけ。そう考えた途端異なる二つの思いがせめぎ合い、先程とはまた少し違った意味で再びドクンドクンと心臓が騒ぎ始め)
――…ッ、
(その感覚にじっとしていられなくなりソファーから突如立ち上がると、外気でも浴びて少し頭を冷やそうとリビングからベランダに通じる窓を開け部屋の外に出て。湿り気を含む夏特有の風も夜になれば心地よさも感じられ、手摺に腕を掛け凭れてはそこから見える風景にぼんやりと視線を置き。と、不意に何故か無性に切なさが襲う。例えるなら相手と二度と会えなくなるような、何の根拠もないそんな感覚。いよいよ頭も心も本気で壊れたのではないかとさえ思え、思わず自嘲の笑みが零れ。「面倒くせぇ…」今の自分に対し吐き捨てるように洩らし、眠気が訪れるまでそのまま夜風を浴びる事にし)
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