Sek_Seed 2013-06-18 20:38:36 |
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『学年1位になって、生徒会に来なさい。そうすれば真実を教えてあげるわ。あなたが望むもの。そうでないもの。全てをね』
昨年の秋、ある人が俺に言ってくれたこと。今日、初めて生徒会役員が集まることになった。そのため、早足に生徒会室に向かっている最中、ふと、そんなことが|過った《よぎった》。
「真実・・・何なんだろ、一体・・・。」
あの時―――冷えきっている保健室で―――俺は、『なぜ貴女はそんなに頑張ることができるのか』と尋ねた。その時、あの人は、クリームブラウンの髪を軽く揺らし、答えてくれた。
あの時、感じた不思議な感覚は今でも忘れられない。何かに包まれるような感じ。かといって、強すぎもせず、弱すぎもせず。優しく、俺を包んでいた。あれは、一体なんだったのか。
様々な疑問が巡る中、|何時しか《いつしか》、生徒会室の前についていた。
中からは、2人分の声が聞こえてくる。・・・喧嘩してる?なんか、妙に騒がしいんだけど。
2人分。今年の生徒会役員は全員で5人。つまり、自分を除いてあと2人来ていないことになる。
と、考えつつ、ドアに手をかけたその時だった。
「あ、あのすみません・・・」
背後から、幼げな声が聞こえてきた。先程から、周りには自分しかいないので、ゆっくりと振り返る。
するとそこには、俯き気味で黄金色の髪を小刻みに揺らしながら、|身動ぎ《みじろぎ》している、小さな姿があった。
「ん?どうかした?」
優しくと以下賭けると、黄金色の髪の子はゆっくりと顔をあげ、その童顔を見せながら話し始めた。
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