孤独少女と平凡男子の物語

・・・分かった （仕方ないな、と思いながらも時間がなく急いで教室に向かって走る。「危ないところだったな・・・・」と教室に入り、自分の席である窓際の一番後ろの席に座り

....( 急いで走る相手の後ろ姿を見ながら変な人だなぁ..なんて思いながら見つめて。｢私も行こ..｣そう呟きゆっくりと歩き出す。涼しい風に当たりながら空を眺め。ｻﾎﾞろうかな..いやいや、ﾀﾞﾒだ、そんな事を考えながら教室の前へ。扉に手を掛けるがなかなか開く勇気がなく

あー・・・疲れるな授業は （ぼーっと授業の内容を流すように聞いてはふと視線を誰も座っていない席にうつす。「あいつ遅いな」と小さく呟けば窓から校庭を眺め

...っ( あ－、あの時一緒に行けば良かった、などと後悔して、まだ教室には入っておらず。｢中津さん..どこの席だろ..｣ﾎﾟﾂﾘと呟けば自然と体が動き、扉の窓から相手を探して。目が合えば助けてくれるかも、と少しの期待を胸に秘めながら。

・・・眠い、寝よう （相手が扉から見ているとは知らずにとうとう眠気に負けて居眠りを始め。そのまま起きずに終了のチャイムが鳴り

わっ!( そうこうしているうちにﾁｬｲﾑが鳴ってしまい。どうしよ...どうしよ..と扉の前でｱﾀﾌﾀ。中津さ..ん..?、と中を見れば、頭を伏せて寝ている相手。勇気を振り絞って教室に入る。皆の視線が痛い。しかし、気にしている表情など見せず、自分の席に座って、

・・・ぅあ？、終わったか （終了のチァイムで目を覚まし背伸びをして目をこする。すると友達が寄ってきていつも通り馬鹿みたいな会話で盛り上がる

ふう...( 席に着けば溜め息を１人。ん－、と伸びをすれば再び読書をし始め。するとｶﾞﾔｶﾞﾔ声が聞こえ、｢うるさっ..｣なんて呟きながら声のする方へ振り向き。其処にはさっき話し掛けてくれた男子。興味なさげにしていても内心やっぱり羨ましくて。気づかぬうちに見つめてしまい。

ハハハ、だよな・・・ん？ （視線をずらすとふと先程の女子生徒と目が合う。間に合ったのか？、と安心したように思うと「さっきぶり」と声には出さず合図を送って

...?( 目が合ったと思えば、何やら口を動かす相手。何て言ったのだろうか..?と考えながらも嬉しくて自然と頬が緩む。数秒間その表情のままいる自分に"気持ち悪い"と思いながら、ﾊﾟｯと無表情に戻して本に目を通し

あ、ちょっと悪いな・・・ （友達にそう言うと席を立って本を読む生徒を見て。よし、と呟くとその生徒に近付く。「授業間に合ったのか？」と横から話しかけ

...!?( 突然立って己に近付いてくる相手。しかも話し掛けられたとなったら動揺を抑えきれず。一旦落ち着いて、｢間に合いませんでしたよ｣と相手を見ずに小声で。

うゎ、それは大変だな （呑気にハハハと笑うと急にクラスメイトの一人に後ろから襟首を捕まれる。「あ、おい、なんだよ」と言うがそのまま廊下に連れ出され

....っ( 何か言おうと口を開けたがその直後、声と共にこの場に居た相手が居なくなり。後ろを振り向けば、襟首を掴まれ、廊下へ連れ去られている相手。｢あっ..｣と声を漏らすが、もう間に合わず

あー・・・はいはい （やっぱりね、と廊下に連れ出されて言われたのは先程の女子生徒の件。面倒くさそうに話を流し適当に頷くと、「それじゃ」とその場から逃げ出して

ん－..( 相手が何をされているのか気になり廊下を覗いてみれば何やら話をされている様子で。｢私のことだろうな｣とﾎﾟﾂﾘ呟けば１人で苦笑い。やっぱり私は孤独だ、などと改めて実感すれば胸が締め付けられる思いで

一人でなにやってんだ？ （なにやら廊下を覗いている生徒を見かけると後ろから声をかけてみる

あっ..いえ!違うんですよ!決して気になって覗いてたわけでは...( いきなり声を掛けられﾋﾞｸﾘとして振り向けば。己の顔の前で手をﾌﾞﾝﾌﾞﾝ振れば、思わず口を滑らせて覗いていたということを言いそうになってﾊｯと口を抑え

まぁ、なんでもいいけどな・・・ （ねみぃ、と欠伸して自分の席に戻る。頬杖をつき窓から外を見て「鳥は空飛べていいねぇ」と呟き

....( 席に着いていった相手を見つめ、ついて行こうか迷いその場でｿﾜｿﾜ。自分が行ったら相手に迷惑がかかる、また悪口を言われる、そんな複雑な感情が入り混じり結局自分の席に着いて読書。しかしやっぱり気になって相手を横目でﾁﾗﾁﾗと見て