諏訪部 和樹 2013-05-04 12:25:55 |
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―…もう直ぐ、か。(己専用の座り心地の良い黒革で作られた椅子に腰掛けており、ふと手首に巻き付けている腕時計へ視線落とせばもう直ぐ彼が現れるであろう時刻で。利き手に握っていた万年筆を机に置いたと同時に予想通りノックの音を聞いて「ああ、入れ。」と一言返し、何時も通りな人物を眺めていると差し出された珈琲に小さく微笑んで)大丈夫だ、…と言いたい所だが最近は余り眠れてねぇ。珈琲、ありがとよ。
そうですか…余り無理はなさらないように(珈琲を置いた後、相手の表情を見れば少しだが微笑んでいるのに気づき内心 社長の笑顔は優しいから好きだと思うが勿論自分の表情には出さずに。相手が余り眠れていないと言えば少しだが心配そうな表情をし、上記を述べ。御礼の言葉を聞くと自分では気づいていないが、自然と口角が少しだけ上がり
ああ、無理はしてねぇから心配するな。…お前はどうだ?最近、忙しそうだと社員から聞いた。(手にした珈琲を口許へと寄せて行き唇を重ねては一口喉に流し込み、問い掛けながら机に置くと眼鏡の奥の瞳を見つめ。唇端が僅かに上がった事に気が付けば滅多に笑わない彼の表情を見た事により、何処か嬉しそうに椅子の背凭れに体重をかけながら完成し終えた書類へと手を伸ばし)
私は…大丈夫です(確かに最近は夜遅くまで仕事をしている事が多いが秘書たるもの相手に心配はかけさせまいと嘘も方便という言葉を思い出し、これくらいの嘘なら大丈夫だろうと思い上記を述べ。ふっと相手に視線を戻すと何故か嬉しそうにしていて、勿論自分が笑っていた事など知らないので何か喜ぶ事をしたか?と不思議そうに相手を見つめるが次には普通に書類を取ろうとしているのを見て気のせいだと思い「今日は大事な会議が有ります」とメモ帳を読み返しながら言い
なら良いが…体、壊したりすんなよ。(手に取った十数枚の書類をパラパラと見分けつつ「お前だけの体じゃねぇんだ。」と如何にも隠れた意味があるかの様に言葉付け足し、次いで予定が記されているであろう手帳を読み上げる声に視線を上げれば思い出した様に ああ、と声を洩らし) 会議…っつうと、アレか。この間に提案が出た、新しくホテルを建設する予定の取引か?
分かっています…自分の身体は自分で守ります(相手が自分の心配をしてくれていることが分かると、今日は早く寝ようかと思っていると、相手の自分だけの身体ではないと聞いてどういう意味だろうか?秘書が体調を悪くすると迷惑ということか?と多分間違っているであろう考えを小さいが思わず呟いてしまい。会議の事を問われると手帳をパタンと閉じ相手に視線を戻すと「そうです。午前の11時から始まるとのこと」と言い
…そうやって、何でも一人で片付けようとする癖は直せ。もしもの時くらいは誰かに頼れ、良いな?(頑固さが滲み出ている相変わらずな言葉を耳にすれば真剣な眼差しで台詞を述べ、「午前11時か、分かった。それと、これは先日言ってた書類だ。」と、確認し終えた書類の束を彼に手渡して。小さな呟きさえも聴力が良いのか聞き逃す事は無く「…俺も、お前の体を心配してるっつう事だよ。」と、悪戯に片方の唇端上げて)
……頑張ります(真剣な顔を見ると此方も思わず相手をじっと見つめてしまい。「こんなに有ったのですか……」書類を持つと予想外の重さに内心何時間かかったのだろうと思い。相手に次の言葉を言われると「っ…有難う御座います」と驚きを隠せない様子で
(/申し訳ありません…遅れました)
…他人が無理なら、俺を頼れ。(視線が絡み合うと ふ、と頬を緩ませて笑み溢し、珍しくも冷静を保てていない彼の様子を見て何処か楽しそうに両の瞳を細め「会議まで、まだ時間がある。仮眠室で、少し眠らないか?」と提案投げ掛けつつ椅子から立ち上がり己が身に纏っているスーツを軽く手で払う様に直し)
(/ いえいえ、気になさらないで下さい。闇落ちはお互い様ですが、落ちる時は一言下さいね。勿論、私も落ちる時は必ず言う様にしますから。)
…はい(相手が笑うとつられて此方も少し微笑みかけるが慌てて何時もの表情に戻し。多分自分のせいであろう、相手が楽しそうにしているのを見て今日の自分は何だか変だと思っていると、仮眠室で寝ようと相手は言う 「え…はい。社長がそうしたいのなら」と少し戸惑った様子を見せるもすぐに返事をし
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