誰でもどーぞー。リレー小説ですッ！

「目の前で起こったことなんだ。本当の話。聞いておくれよ。
大丈夫さ。君が思ってる以上の話だから。」
あついあつい日。アスファルトの上を歩いていた彼の友人が彼に向けて言った。彼はその言葉が耳に入るといつもとちがう友人の雰囲気に戸惑っていた。

→誰か続きをどぞッ！

「人を、殺してしまった」彼の友人は確かにそう言った。

友人のいった通り相手の口から出たのは考えても居なかった言葉だったが。思わず足を止めて友人の方へと顔を向ける。
｢…何言ってるんだ?｣
たちの悪い冗談か。彼はそう考えると苦笑混じりに笑った。友人の雰囲気のために冗談の様には聞こえにくかったが。

｢人って…誰?｣
彼は自分の声が少し震えだしたのが分かった。

友人は彼をじっと見つめ、少し間を置いてからゆっくりと言い放った。
「お前の知ってる人だよ」
前髪から見え隠れする友人の瞳から本心を伺うことはできなかった。

「俺の知ってる人ってつまり…誰？」と彼は友人に言った。彼は口の中に溜まった唾を飲み込んだ
まとわりつくような不快な暑さが辺りを包んでいる。
彼の友人はしばらくうつむいて黙りこんだ後、口を開いた。

「君だよ」

「え、いや俺は生きてるよ。ほら」
彼は両腕をひろげ友人を見るもまだうつむいていた。
友人の返事を待つが返事はこない。

「何か言えよ」
まとわりつくような暑さと曖昧な友人の言葉が彼を不快にさせた。
彼の友人は口を開こうとしない

｢おいってば！｣
痺れを切らした彼は友人の肩を軽く小突いた｡その瞬間に友人の身体がぐらり､と揺れゆっくりと後ろへ倒れていく
｢あっ！？おいっ！大丈夫か…っ！？し､死んでる…！｣
思わず友人の側まで寄り安否を確認した彼は持っていたカメラで友人を撮影する｡
｢ちょ…、待て待て、死んでないし撮るな｣とニヤつきながら友人は身を起こす

「ちょ、おどろかすなよ！」
彼は、少々怒りつつも、内心ほっとしていた。
「いやー。ごめんごめん。
つか、さっきの話冗談だから。お前殺してたら、お前ここにいないだろ。」
彼の友人は、笑いをこらえながら口元を抑えて笑っていた。

そういえば、もう昼時か。近くのアパートから聞こえた母に似たその声に多少違和感を感じたが、まあ良い。そんな事より食べることが先決だ。
笑いを堪える友人を無理に引っ張って歩き出した。

その時、なんで気づかなかったのだろう。
母に　似た　その声が、僕たちを恐怖の穴におとしいれることになるなんて・・・。

なんて空想していると、
「それにしても、まだ6月だってのに暑いな」
と彼の友人は言った。
形の整った唇から覗く八重歯が、見え隠れする。

「この調子じゃ8月は地獄だな」
友人の言葉を聞いて彼は言った。
友人は彼の目の前を歩きながら口を開いた

2人は、終わりのないデス・ゲームに巻き込まれることになる…

と彼の友人はおどけながら言った。

「おいおい、今度はなんだよ(笑)」
彼は友人に笑いかけた

「ん？あれだよ。あの例のレースの。俺ら今から先公に怒られにいくんじゃん」
と友人は早口に言った。

そうだったな。と彼は思い出した。

この前の日曜日のことだ。
彼らは、学校で花火をしている所を、事務員に見つかったのだ。
「だってしょうがねぇじゃん。他にやる所ないんだし」と友人が言う。

学校に着くと、5.6人の先公が揃って立っていた。
「全く、お前らのような生徒は初めてだ」
教務主任の岡田が言う。
うるせぇな、と思っていると、生徒指導室に連れていかれた。

「奥田、平山、そこに正座しろ。」
俺の担任の前田が言った。
見渡すと、あの日のメンバーが正座をして此方を見ていた。
「村上はもうすぐ来る。」
前田が言った。
そうだ。俺らは学校で花火をして事務員に見つかったあと、学校内で、壮絶なレース(はたから見ればただの鬼ごっこ)をしたのだ。