用心棒少女 2024-04-16 01:26:03 |
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蛇……。そこまで見ていて服で判断したのか
(ぽろぽろとこぼれる様に出てくる情報に耳を傾け、その中でも一際気に掛かった単語を拾い上げ、視線を横に泳がせて呟く。手首に蛇の模様のある男なんて使いに出した先にはいない筈だった。ここまで鮮明に覚えてる様子の少女の話を聞く限り、服装も何らかの手段で同じものを用意したか──使い先に内通者が他に紛れているか。使い先には悪いが暫くは取引を減らすとして。兎にも角にも、警戒すべき相手の特徴が分かったのは幸いだ。
そちらは別の駒を動かし何か対策は講じるとして──そこまで見ている観察眼があるにも関わらず、すんなり贈り物を受け取ってしまったのか。と、そのうち適当な飯にでも釣られてどこかに行ってしまいそうな不安定さに小さく溜息を。そっと飴のようなそれを持つ少女の手首に手を添えて、それを口元へ近づくよう誘導し目を細めては優し気な声色で。
口にするもしないも少女次第。ロクでもないものであることに違いはないだろうが、幸い少女には毒に耐性があるのもわかっている。とはいえ、ここまで此方が警戒している素振りを見せているのだから、いくらなんでも口にはしないだろうと高を括り)
──さあ、どうする?
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