用心棒少女 2024-04-16 01:26:03 |
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覚えて──ぁ、
(手から持ち上げられた一つ。己の手の上にあった時には大きく見えたそれが、長い指先に摘ままれると随分小さく見えた。少しの間観察するように揺れた瞳を見上げても大人の考えていることなんて分かりはしない。
処理をしろと手に返ってきたそれに視線を戻し、包を開ければ覗くのは赤黒い飴のような球。飴のような見た目を薄く光る灯に透かせば中心でちゃぷんと液体が揺れた。蜜…だろうか。薄く光を通すそれに視線を固定したまま、問われた質問に解を求めるように薄く唇を開いて受け取った時のことを回顧する。
荷物を受け取ってお使い先の外へ出た、数歩歩いたところで箒を持っていた男が声をかけてきて──服の袖から覗いた墨は蛇の形、武器を持っているようには見えなかった──片手に贈り物を摘み上げたまま、飼い主へと視線を戻す)
渡されたのは外で──男の人で、手首に蛇の模様があって──今迄に見たことがない人だった、でも、あそこの使用人たちと同じ服を着ていたから
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