用心棒少女 2024-04-16 01:26:03 |
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お前が処理しなさい。……渡してきた相手の顔は覚えてるか?
(使いに出した先とは友好な関係を築けていたと思っていたが、と思考を巡らせながら紙袋を小脇に抱えて、取り敢えず包みを一つ摘み上げて中身を確認してみる。素人目にはただの飴のように見えるが、どこで恨みを買っているとも分からない身としてはどこの誰ともわからない相手からの物を口にはできない。
律儀にふたつ。この少女が雇い主の分もとねだるはずもなく、大方「一緒にどうぞ」とでも渡されたのだろうか。素直に差し出してくる辺りまだ扱い易くて助かるが、どうにも贈り物の類に弱いのは難点か。自分も少女のそういう甘い所を存分に利用しているのは否めないが、どうにか矯正しないと後々面倒になりそうだと感じ。取り上げて処分するのは簡単だが、それで次から隠される方が困る。
どうしたものかと困り半分、呆れ半分──やはり、自分で痛い目を見てもらうほうが早いか。と判断すれば、包みを元のように戻せば相手に差し出して、その包みの扱いを委ね)
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