記憶喪失の少女 2024-04-15 02:05:12 |
通報 |
っ…!
(瞼に遮られ、視界から光を無くしたとしてもその他の五感を遮断できるはずもなく、想定通りのタイミングで肉が裂けるような音が鼓膜に届いて。しかし、音は響いても己の体に痛みは感じず、その事を不思議に感じながらおそるおそる目を開くと、そこには一人の少女とその少女に始末されたであろう二人の追手が視界に入り、あまりの突飛な状況に「あっ…ぁ。」と間抜けな声を零れさせながら腰を抜かしたようにその場にペタリと座り込んで。「僕は助かったのか。」「目の前にいる女の人は誰なのか。」と次々に出てくる疑問を口に出そうとしてもパニックになった己の頭の中ではその言葉たちは喉の手前でつっかえるばかりで、そうやってモタモタしていると少女から近づいてくれば、びくりと体を震わせながら恐怖の目でまっすぐと相手を見据えて。助かったといっても、目の前の少女が敵ではない証拠はない。そうやって警戒だけは解かずにいると、やがてこちらに対して発せられた声はこの惨状を起こした人物とは思えないほど優しい声色で。たったそれだけのことで警戒心が少し解け、「え、あ、は、はい…。助けてくれてありがとうございます…。」と少しだけ整理のついた頭でやっとのことでそうやってお礼を言って。その時、拭われた相手の頬の傷からまた血の雫が一筋流れれば「あ、血が…。」とそのことを指摘するようにポツリと呟いて。)
(/いえいえ、こちらも開幕の文は世界観を掴むために長くなりやすいので大丈夫です。むしろ長い方が物語に厚みが出るのでいいと思います!こちらも、ロルの長さは波があるのでご了承ください…!)
トピック検索 |