ぬし 2024-04-03 21:25:39 |
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(青空を覆い揺蕩う入道雲は荘厳な夏の風物詩。アスファルトには陽炎が立っている。辺りに人影はなく、蝉音だけが響く街中を蓉は何も考えず、ただ歩き回っている。いつから歩き回っているのかはハッキリわからず、思考すらもうっすらとぼやける。だが馴染みの街であるはずが、違和感は拭えない。拭えないけれども深くは考えられない。まるで何かに思考を妨げられているようなふわふわとした感覚に、蓉は腕を組み、眉を顰めては彷徨い続けた。そこでふと。見つけたのは坂道の頂上に佇む3段重ねの分厚いホットケーキ。見つけたというよりも遭遇に近しいそれ。道幅いっぱいに、遠くの方で見えたスイーツに蓉はゆっくりと首を傾げたが、漂う甘い香りに自然と?がニヤけてしまった。謎は目で見て解くべし、とは脳筋な持論。そばに立てかけてあった自転車に跨れば、ホットケーキを目指すのであった。)
「…へへへ……おいし…そ~……」
(そう、全ては那波蓉の見る夢である。日曜日の朝。枕だけを抱きしめては涎を垂らし、阿呆な顔で寝言を呟く。昨晩、登山より帰宅してからそのままぐっすりと気絶するように眠ってしまったらしい。)
「…みんなに…も…おしえて…あげなくちゃ…」
(アラームが鳴り響く、凡そ5分前であった。)
(/初回失礼します!悩んだ末にこんな始まり方になってしまいました…絡みづらかったらスルーで構いません!これからよろしくお願いします!)
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