名無しさん 2024-03-23 00:11:55 |
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(ワインが注がれたマグカップからは芳醇な香りを湛えた湯気が立ち上っており、見るからに熱を持っていることがわかる。熱せられたマグカップで相手が火傷しないよう慎重に渡していると、不意に風が吹き荒び、相手と、そしてワインによって暖められたはずの己の体もその夜風に体を震わせて。このままなんの対策もしなければ明日には風邪をひいてしまうだろうと思えば、そのあたりに落ちていた小枝を集め、小高くくみ上げてはその小山に手のひらをかざして炎の魔法を唱えて焚火を始めて。これで少しはましになるだろうと、その焚火に手をかざして暖まっているとホットワインを味わった相手から昔と変わらない無邪気で眩しい笑顔を向けられながらおいしいと告げられると、その心一杯の感想に胸の中が暖められていくようで「お粗末様。」と、どこか照れくさそうに返事をして。手土産はこれだけではなく、籠からランチボックスを取り出せばその中にはサンドイッチやチーズ、ハムなどが詰められてはこれをアテにしながら過ごそうというつもりのようで、「今日はエマは何してたんだ?」と、チーズを一つつまみながら他愛もない会話を始めて。)
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