serial number153 2024-02-18 15:19:42 |
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葵くんはここにいない…。
(驚いた表情と視線がかち合い、みるみるうちにそれは疑惑的なものに変わっていく。どうしようかと数秒考えているうちに彼の目にはみるみるうちに水分が溜まっていく。確か、人間は悲しいと涙を流すと学習した覚えがある。帰っていいと優しく、でも少しの諦めのような声を聞けば首を横に振って、)
葵くんが、あなたを大切な人だと教えてくれました。だからぼくもあなたが大切です。
(すっ、とごく自然に彼の頬に手を伸ばし、自身を起動する時のようにつん、とつついて。こうすれば自分たちは笑うし話すことも出来る。彼ももしかしたら、との思惑からだが、指先に触れた温かい涙に目を瞬かせ、「だから泣かないで。…ぼくも帰るところがありません。」研究所は閉鎖されることが決まっている。そうなってしまえば自分も家をなくしてしまうと少しだけ眉を下げてしゅんとした表情を作り)
ぼくのおうちは、もうすぐ無くなります。次はここがぼくのおうちです。
(懇願のつもりだがそんなモーションはまだ搭載されておらず、ぎこちなくぺこりと頭を下げてはお願いします、と小さく呟くに留め。ちらりと顔を上げては未だ涙の跡が見える彼に、唯一持ってきている小さなショルダーバッグから父、すなわち葵が生前使っていたクラゲが描かれたハンカチを差し出して)
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