倉木真澄/五条悟 2024-02-13 23:43:59 |
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〈倉木真澄〉
「……面倒極まりないな。」
(眠る彼らを置いて施設を後にし、"狩り"の現場へ向かった倉木は─持ってきた箱を道中で空にしたらしい。コンビニに寄って補充しつつ、妙に重苦しい鉛色の空に向かって小さな呟きを零した。"獲物"は非術師、それも踵の高いハイヒールを履いた女のクセに逃げ足が早い─早く彼らの元へ帰りたいな、とぼんやり思いつつも、"猟犬"としての矜持なのか─獲物を追う脚は決して止めない。優雅に煙草の煙を揺らしながら獲物に追い付き、苛立ちに任せてその喉笛を"牙"で掻き切った。─運の良いことに最近、この辺りには通り魔が出るらしい。恐らくその犯行にでもされるのだろう。くっ、と喉の奥で笑いを噛み殺し、吸い殻を自身の掌でぐしゃりと握り潰した。そのまま次の現場へと足を進める─一方、五条は彼に叩かれて不機嫌ながらも目を覚ます。直ぐに異常に気付いたらしく、寝惚けた中にも不安げな色を秘めた声で「…真澄は…?」と彼に問い掛けた。)
──
〈五条悟〉
「……おー。」
(部屋から出てきた彼女を見た五条の声が、一瞬ぴたりと止まる。普段よりも可愛らしいその姿に見惚れつつも、普段通りを装って手を軽く上げた。)
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