平凡少女 2024-02-10 20:27:40 |
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ッ、……まって。
( もう会えないかもしれない。そう思ったら考えるよりも先に体が動いていて、気がつけばひなはちいちゃな手で彼の大きな腕を掴んで彼を引き留めていて。幼い頃から聞き分けの良い模範生のような子どもで、こんな風に気がついたら……なんて事は1度もなかった為か、なぜか引き止めた本人であるひなが大きな目をぱち!と開いて驚いている。何か言わなきゃ、と考えるも出て来るのは言い訳にもならないような言葉たちばかりで、ぐるぐると目が回るように言葉達が浮かんでは消えていく。「 ……、け、ケーキ。そう。ケーキ!崩れてるかもしれないから、…あげるわ。あなたに。 」しばらくして口から出たのは手に持ったバイト先のケーキが崩れているかもしれない(嘘。全く崩れず綺麗な状態である。)のであげるという何とも幼稚な言葉で。 )
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