…まぁ、安酒くらいなら礼に買ってきてやるよ。 (相手の返事に顔をあげる、人の気配のないこの山にずっと縛り付けられたまま、彼の置かれた境遇に同情でも抱いたのか大した慰めにもならない提案を。あの行方不明になった青年も、榊と同じように孤独な誰かに囚われてしまったのだろうか、と思えば単に身勝手な化け物としか思えなかった話も事情が変わってきそうな気もする、