……信じる信じないは勝手だが─あの青年を隠したのは、小生ではない。 (樒の呟いた言葉に否定の意を込めて首を振り、瞳を伏せて本殿の柱に触れる。騒ぎ出す木々の声に耳を傾け、大方の目星を付けつつも─あの青年を食らった存在を探った。木々、動物。その全てから青年の気配を探り、最後に辿り着いたのは─青年が埋まっている桜の木そのもの。目星を付けていた通りの結果に小さく息を吐き、樒に向き直って)