ビギナーさん 2024-02-05 22:29:16 |
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…おや、今更怖気づいたのかい?
(煙草を握り潰してやれば、目に見えて怯え始める樒に目を細める。今しがた地面に投げ捨てた、火の点いた小さな棒切れへの興味などは疾うに消え失せていた。やはりこの人間も今までの人間達と同じか─と云う、落胆と僅かながらの絶望を秘めた声色で呟き、樒から離れて本殿へと戻り、その縁側へ尻を下ろす。朱の剥げた鳥居を背に恐怖の眼差しを向けてくる樒─否、"人間"をただ穏やかなだけの微笑みで見遣り、静かに口を開いて)
…小生が怖いのだろう?ならば─決して振り返らずに、山を降りると良い。
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