通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【 妃 硝華 】
、ごめんなさい、私……。今忙しかった、?
( まさかかかってしまうとは思わず慌てて切ろうとしたのも束の間、スマホから聞こえてきた王子様の声にきゅう、と胸が苦しくなる。スピーカーに切り替えて、雷に脅えた震えた声では無い…できるだけいつものように柔らかい声で上記を問いかけて。さっきまではあんなに大きく聞こえていた雷鳴が今ではすっかり〝王子様〟の声の方が硝華の頭を占める。「 …声が、聞きたくて。 」と普段人前で見せるしっかりとした大人の女性のような穏やかさではない、親しい彼女にしか見せないような甘えるような声でそうこぼして。 )
【 椿 】
、………別に!心配してるんじゃなくて気になっただけよ!
( ぽん、と自身の頭に置かれた手は紛れもなくヒトと同じような、誰かを慈しむような。やさしい手であることには変わりない。こうして優しく誰かに頭を撫でられたことがない─── ましてはこんな美丈夫になんて尚更 ───椿にとって初めての感覚にぶわ、と頬を真っ赤に染めてはいつものように可愛くない口を。だがしかし表情も口振りもわかり易く〝心配していたけれど恥ずかしいから誤魔化した〟といった様子で、椿はつん!とそっぽを向いた後に暫くしてちら、、と彼の瞳を見上げては「 …優しくなんて、ないんだから。 」と懐かない猫がみゃあと鳴くように小さく付け足して。 )
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