斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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迷惑じゃない。
好きだった、なんて言ったけど俺は今でも唯織さんの事を愛してる。だからその言葉を聞いてどうしようも無い程に嬉しいよ、ただ…昔も今も、唯織さんの事が好き過ぎるんだ。何よりも大切にしたくて、何時でも幸せに笑っていて欲しくて仕方がない。
( 静かな車内。彼の言葉が耳に心地好く響いて微かに目を細め、はっきりと言えばハザードを出して路肩に車を停車させてそちらを向き、夢にまで出てきた愛おしい彼に触れたい感情は抑えて気持ちを告げる。ここで触れてしまったらもうきっと後戻りは出来ない。今自分はどんな表情をしているだろうか、彼を忘れようと組織や権力を拡大させる事に頭を動かし続け、それが功を奏して今や荒くれの末端にまで顔が知れているがこんな情けない表情を彼以外は見る事がないだろう。少し苦しげに微かに眉を顰めて目を伏せて )
……─俺の傍では、そうはさせてあげられない。
"何があっても守ってみせる"なんて言葉は非現実的だ。どれ程に計画を練っても必ず穴があって失敗する確率は0ではない。今後も一緒に居ればあの日の様に唯織さんを傷付ける可能性がある。だから、……もう俺の事は忘れて幸せになってほしい。
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