斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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( 数センチ伸びた背丈、羽織るスーツや身に付ける物は2年前よりも落ち着いて、日々双眸に映るのは現実の裏を煮詰めたような生臭い景色。絵画に興味を持って目を輝かしていたのが懐かしい。未だに夢に出てくる愛おしい彼への唯一の繋がりであるスマホは捨てられぬまま、距離を取ったあの日から学校へも行かなくなり、初めて学業で家の力を使って全てを解決し卒業をした。その後はずるずると堕ちていく様子に親は心配したが、今では皮肉にも界隈では知らぬ人が居ないほどに立派なもので。
この街に来たのは久々だ。偶然隣町で取引があって懐かしさから足を踏み入れてしまった。賑やかな夜の街の光は今では落ち着くもので、煙草を片手に肩掛けたコートが靡くまま歩いていれば目の前で揉め事、とも言えないが宜しくない雰囲気の3人が目に入る。二人の男の顔は見えない、絡まれている側も彼らに被っていて見えず、いつもなら無視するがここは一応自分の組の管轄で、考えたくもないが馬鹿な組員が一般人に絡んでいる可能性もあると思い近付くと彼を掴んでいた男の手首を空いている方の手で掴んでから先ずは男達の顔を確認しつつ煙草をゆるりと一吸いし )
何してんの、揉め事?
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