匿名 2023-09-07 21:36:05 |
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『翡翠』FFLR ノエル君のみ ホプノエ
路地裏に赤黒い鮮血と鉄の香りが巻き散った、これで何人目だろうか?20を越えた時点でもう数えるのはやめた、悪人をこうして殺めるのはもう慣れた筈なのに未だに躊躇ってしまう、罪のない市民が私利私欲の為に殺されるくらいだったら先に悪人を殺す方がいい、そう分かっていても奪えば奪うほど手は赤く染まり重くなっていく気がしていた、もう、500年も生きて諦めてる筈なのに、
「…………俺は、何がしたかったんだっけ、」
思わずぽつりと一人血塗れた路地裏で呟いた、あぁ、意味のない問答だ、そう振りきって歩き出そうとした、そんなとき翡翠色が目に入った、飴だ、包装紙をそっと破り口に含めば懐かしい涼しさが口に広がった、あの優しい記憶と同じ味だ、つうっ、と頬に一筋の水滴が流れた、そのまま決壊したダムの様にぼろぼろと流れ出る、無意識のうちに口からこぼれたのは
「何をっ……望んでたんだよっ、!!返してっ……くれっ、!!!」
嗚咽に混じった声で、あの時の優しさを、暖かさを、もう届かない愛しい記憶を欲する様に手を伸ばした、儚い光で幻想だとしても、すがっていたかっただけだ
________壊れた幼い心は。暖かい希望に触れて絶望を知った、
「希望を持つことが、絶望の始まりじゃないか……なぁ?"ホープ"」
end
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