匿名さん 2023-08-22 20:24:32 |
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「…これはこれは、聞き苦しい言葉を使ってしまい失礼致しました。ですが、剣術の才も使用人としての才も乏しい“コレ”が立派に務めているのか、兄は心配で堪らないのですよ。
まぁ、聞き分けがよく、空気のように静かなところは気に入っていましたがね。
──なぁ、ハル、帰る前に一杯茶でも淹れてくれよ。お前が好きな、あの不味い紅茶は勘弁しろよ?」
( 冷ややかな視線には少し肩をゆらすが、咳払いとともに扇子を取り出して動揺を落ち着かせれば、口元を隠したまま尚のこと言葉を続けた。
近くに歩み寄ってくる兄に名を呼ばれれば、思わずぴくりと身体を強ばらせ静かに目線を伏せる。兄は冗談っぽく笑いながら閉じた扇子の柄で肩を軽く叩いてくるが、その目はやはり面白くなさそうに冷たい視線で弟を見下していた。)
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