匿名さん 2023-08-19 22:30:43 ID:a989157d2 |
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「なんで帰したんだ?」
「あいつらでかくて目立つでしょ、私達なら親子のお出かけぐらいになるわよ」
小さいとはいえ成人している女性に対して、と正当に怒ろうとしたところを制される
目的の人物が路地裏へと消えたのだ
無理に追う選択肢は良策とは言えないが
「…俺が行く、アティナは待ってろ」
相手はこちらの素性を知らない、それならば。
ラズベリーの長い髪が不安げに揺れている
それをわかった上で、誰を心配しているのだと、そう話している時間もないので背を向けてしまった
「待ってるわよ。」
路地裏はそんなに好きじゃない、暗いし、じめついてるし、ネズミとかいるし
手頃な棒きれを見つけてそれを手に取る、子供が冒険をしに迷い込んだ様に
向こうの警戒が薄れて気配を感じ始める
子供一人にバレてしまっても問題ないのだ
「だって倒せばいいものな」
「なっ…!」
手頃な棒を強く握りこみ、振り向きがてら男の腹部を突く
もっと上を狙うつもりだったが思いの外男の対応が早かった、こいつは少しやる方かもしれない
少しだけど。
「子供だと思ったのか?愚かだな…うちに手を出しておうちに帰れると思うなんて…随分かわいい頭をしてる」
小さな少女が、赤い瞳を怪しげに光らせる
氷の様な銀色の髪がさらりと揺れている
「おまえはもうかえれないよ」
「ノエ、居場所は聞いたのか?」
「ん、面倒だった」
「俺に任せればよかったのに、アティナもそう思うだろ?」
「ノエはちゃんとやってくれたわよ」
「お前らこいつのこと甘やかしすぎだぞ」
「お腹空いた」
「あーはいはい…」
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