グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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─── …ジャスティス。
ごきげんよう。
( 聞き慣れた耳馴染みの良い低音に、アリシアの大きな羽がぴく、と動く。声の主を呼ぶ声は幾分か明るくなり、そちらへ目を向ければ先程自分が無性に見たかった紅の光が目に入り少しだけ表情が和らいで。ひらり、と自分も同じように手を振り返せば、ふと彼女の口から語られたのはまさに今自分の悩みの種だったあの美しい少年の話題で。ぱちぱちと光の戻ったエメラルドグリーンの瞳を何度か瞬きさせながらその話を聞いていけば、なんと先程の少年を仕向けたのは彼女らしく、その少年の使い道も先日彼女が言っていたような拷問用に使う天使のように扱うらしい。彼女からの謝罪と、美しいピジョン・ブラッドの瞳が細まりアリシアは思わずふは、と笑ってしまえば「 そうだったの。……あの子、中身が真っ黒で驚いたわ。そういうことなら他の天使たちは気づいていないから、そのまま見習いとして置いておくわね。 」と、幾分かいつもの調子に戻った柔らかな笑顔と口調で地獄からのお客人を置いておくことを決めて。しかし矢張り先程の少年がおぞましかったのか、出しっぱなしにしていた大きな羽で彼女と自分を周りから見えないように包めば明かりが遮断された事により強調された彼女の瞳の光を見つめながら妖しく光るエメラルドグリーンで「 お礼とお詫び、1日貴女を独り占めする権利で手を打ってあげるわ。 」 と甘ったるい声でねだれば、そのあとにパッと羽をしまうことによって彼女を解放してはなんちゃって、と紫煙を纏いながら天使らしからぬいたずらっぽい笑みを浮かべ。 )
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