グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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「 ─── では、彼女の代わりを探すということで。 」
( 一方、天界では。どうやら高等天使たちによる会議はひと段落したようで美しく大きな白い羽を生やした天使たちは会議室…とは言ってもお城の客間のような美しさの部屋からそれぞれの業務へと戻っていく。アリシアも例外ではなく、面倒くさい事をしてくれるななんて心の中で悪態をつきながら天界を見回りがてら歩いていれば、ふと全身が粟立つようなおぞましい気配を感じてピタリと小さな足を止めて。─── なに?悪魔が侵入した?否違う、もっと純粋でおぞましいもの。決して美しい天使の仮面を外すことは無いが、アリシアが心の中でその気配を気取っているうちに段々と其れはこちらに向かって近づいてくる。他の天使たちは気付いていないのか、みな普段通りの生活を行っていて何か侵入者が出たなんて報告すら受けておらず其れの正体がなんなのか分からないまま、其れが近付く度に心臓は大きく跳ねて呼吸が浅くなる。この世でいちばん恐ろしいものは純粋な心だと言うのはよく言ったもので、たしかに其れは酷く純粋なものには限りないのにアリシアにとってはおぞましく吐き気すら催すほどの脅威に感じる。今この場で其れに気付いているのが自分だけなのならば、自分で始末をしなければならない。そう決意してアリシアが白いパンプスの嵌った小さな足を踏み出せば、そこに居たのはこの世の穢れを何も知らないというような美しい瞳と浮世離れした美しさを持つ小さな少年で。「 ……ごきげんよう、ボク。どこから来たのかしら。 」少年の目線に合わせるようにそっと膝を地面についてにっこりと優しげな天使の笑みを浮かべれば、アリシアはワンピースの下に隠れた泡肌はそのままにいつもの甘ったるい蜂蜜のような声で声をかけ。 )
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