グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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「 アリシア様─── ッ 」
( お気に入りの茶葉で紅茶を淹れ、優しい陽の光が差し込む窓辺にて仕事の資料をぱらぱら捲ってしばらく。またもや自分の部屋に騒々しく飛び込んできたのは最近天使として自分の下で働き始めたばかりの新人。話を聞けば、何やら地獄に落ちるべき人間が天国に上がってきてしまったとか何とか。あまりの外面の良さに稀に、ごく稀に間違って此方へ登ってきてしまいよくよく確認をしてみたら地獄へ落ちるべき人間だったということは偶に、ある。本当に偶に。なので別に慌てることではなく丁重に落とせばよいだけなのだが、この新人はどうやら初めての自体だったそうで透けるように白い肌を真っ青にしてどうしようどうしようと此方に助けを求めてくる。アリシアは1度困ったように眉を下げて笑ったあと「 私が地獄まで連れていくわ。 」 と対応を代わる旨を申し出て。そのやり方は天使によって様々だが、アリシアはごくごく単純。いつものように甘ったるい蜂蜜のような声で〝 特別な場所にお連れしますわ。貴方様だけの場所、……恥ずかしいから、目隠しをさせてくださいましね 〟なんて柔らかな部分を押し付けながら甘やかせば男なんてイチコロだ。鼻の下を伸ばして白い目隠しをつけた男を、まるで花畑をデートする恋人たちのように優しく手を引くのは見るも恐ろしいおどろおどろしい地獄。そういえば久しぶりに来たわ、なんて物珍しくきょろきょろと美しいエメラルドで周囲を見渡しては地獄にには似合わない透明な声で「 すみませぇん 」と声をかけ )
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