グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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─── … 悪魔と同じ匂いがする、か。
( まるで雲の上にいるかのような─── 人間からしてみたら確かに雲の上にいるのだが ─── ふわふわとした心地のベッドに寝転がり、美しいブロンドは惜しげも無くシーツの上に広がる。生まれてこの方天使以外の生き方を知らず、だがたしかに普段霞を食べて生きているような彼ら彼女らとは確かに趣味趣向…具体的に言えば欲求の捌け口や興味のあるものが違っていた。だからと言って堕天したいとは1度も考えたことは無いし、天使がしょうに合っているとは理解している。だからこそ堕天した天使たちは一体どんな気持ちで堕天をしたのかと気になってしまうのだが。アリシアはふとベッドから立ち上がれば、大きな化粧台についた鏡で今日付けられた額の傷を確認すればもう其れはすっかり治っており、それと同時に初めて拝むことのできた悪魔の彼女の瞳を何だか思い出す。「 ……でも、赤い瞳はとても綺麗だったなあ。今までの〝子〟たちと何が違うのかしら。 」天使たちとはもちろん、今までに〝遊んで〟いた悪魔たちも勿論燃えるような赤い瞳だったが、彼女の其れは一際違うように見えた。上級は違うのかしら、と思ったけれど今迄出会ったことのある上級悪魔でもあそこまで心がざわめくことは無かった。涙濡れたのを見たいとは思ったけれど。アリシアは鏡越しに自分の優しいエメラルドグリーンの瞳に触れては、「 私だけ映らないかなあ 」と誰もいない部屋に小さなつぶやきがぽつりと落ちて。 )
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