匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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わたし、……直政様のお傍に居られて幸せです、
( 一度零れてしまった雫たちは止まることなく、椿の白磁の頬をはらはらと滑り落ちていく。優しく握り返してくれる大好きな手は、それだけで自分の心を穏やかにさせる魔法の手。人間は悲しい時だけではなく嬉しい時も涙が零れるんだなと17年間も生きてきた中で初めての感情が胸の中に眼を出しては、涙に濡れた花街育ちの椿人形はふわりと微笑んで。どうしてこの人はこんなに暖かくて優しいんだろうと、本当につくづく彼に身請けをしてもらった自分は幸せだと、今日1日何回思ったか分からないことをまた思う。未来の話をされると、自分が一時的にではなく彼の傍に居てもいいんだと言われているような感覚がして酷く安心する自分は、きっとまだ刹那の生き方しか許されない遊郭の生き方が染み付いているのだろう。早くこの考え方も直さなくっちゃ、と改めて思い直すものの、その決意は彼の〝似合っていたよ〟という言葉に全部塗り替えられてしまう。頬を赤らめながらもそう褒めてくれた彼にぱぁあ、と表情を明るくさせては「 おハナさんのお墨付きですもの! 」と心底嬉しそうに笑って。自分でも単純だなと思ってしまうけれど、それでも慕っている相手から褒められたら人の当たり前として乙女は嬉しくなってしまうものなので。 )
( / わ!たしかに……!!
自分で知りえないところで想い人に女の影が見え隠れしていたらなりふり構わなくなってしまうし、遊郭の女なので押せ押せのはずですもんね……!それは私もニコニコしてしまいますので、ぜひ……!!)
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