匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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─── …はい!ありがとうございます、お風呂戴きます。
( 結果から言うと、マァ袋の中身は大変だった。布地というか、ほぼ全てがレースと紐なのだもの。〝着る〟というよりも〝付ける〟に近い其れは何も着ていない姿よりもよほど恥ずかしい。本当にこれで直政様は喜んでくれるのか…と思案していた頃、丁度渦中の人の声が聞こえれば其れに答えて彼が眠ってしまう前に湯浴みを済ませなければとパタパタ準備を始めて。──浴室にて。慣れた様子で頭やら体をピカピカに洗ってはそろそろと浴槽へと足を踏み入れる。1人でこんなに広い浴槽に浸かるのも、ぬるくも熱すぎでも無い適温に温められたお湯も人の多い場所で生きてきた椿にとってはマッタク初めてのもので、ちゃぷんと口元までお湯に浸かれば体やらの疲れどころでなく、自分自身もお湯に溶けてしまうほど気持ちがいい。暫くそうして穏やかな時間を過ごしていたのもつかの間、自分がしなければならないことを思い出しては慌てて湯船を出、例の爆弾を着て…否、付ける。飾る?と言った方がいい其れは椿の豊満な胸元は黒いレースで飾り程度に彩られ、下半身は一応下着の形はしているがその代わりニーハイソックスをとめる紐ガーターが着いておりなんだか逆に扇情的で。その上から浴衣をサッと留めるだけ着付ければ髪を乾かし漆黒の天の川を背中に流しながら彼の部屋へと。コン、コン。と少し緊張と遠慮の交じったノックをすれば「 椿です。……その、えと。今、お時間よろしいで、しょうか。 」と、今までかたくなに姐さんが許さなかった水揚げが今日行われるのかもしれないと思うとどうしようもなく怖いし、でもそれと同時に彼ならばという気持ちもある。椿はぎゅ、と浴衣の合わせあたりを指先で軽く握っては小さく深呼吸をして。 )
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