匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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うふふ。
私だけの魔法使い様ですね。
( これ以上何かを望めるような欠けた気持ちは少したりともないけれど、これからももっとたくさん魔法をかけてくれるという優しい彼にこちらも思わずうふうふと笑ってしまう。顔もよし、性格もよし、家柄もよし。そんな彼がどうして花街の一芸妓として燻っていた自分を人目見ただけで身請けし、更にはこんなふうに面倒を見てくれるのか。その理由が椿には分からずに、だがそれでも少しでも良くしてもらっている恩を彼に返せて行けたらいいなと密かに重い。暫くしてまた大きく豪奢な屋敷につけば、〝例のアツい服〟の袋を後部座席から取ろうとする彼を見て自分も慌てて「 な、直政様!その袋!重いので!私が持ちます! 」と慣れない車の扉を慎重に開け閉めしてはぱたぱたと彼の元へと駆け寄って白魚の指で彼の持っている紙袋を指さして。まずい。少しでも袋が空いてしまい其の中が見えてしまったら。せっかくおハナさんがお膳立てしてくれた作戦が台無しになってしまう、と。 )
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