匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( 己の発言で椿がパニックに陥っていることなど気付かず、店に並んでいる中で一番値の張るおしろいや、艶めかしささえ漂わせる色彩の口紅など、店員の手によって最上級品の化粧道具が次々と選ばれていき。購入するものをあらかた選び終えたらしく、あらためて会計へと案内されようとしたそのとき、傍らの相手から引き留められると、いったいなんなのだろうかとふりかえればそこには顔を真っ赤にしてなにやら不安そうな表情でこちらに問いかける相手にそのおかしな様子に首をかしげて。この男、初日の勇気を出した時以外、今まで純粋な椿しか見ていなかったためか、相手と『そういう』ことをするということが頭からすっぽ抜けているらしく、だからこそ相手の言う『遊ぶ』とは三味線や舞踊を見る芸子遊びのことを言っているのだろうかと勘違いしていて。今まで、三味線や扇に目を輝かせていた相手を見ていたため、できることなら相手の好きなようにさせたいと思い、これまで遠慮ばかりしていた相手を心配させないように、真っすぐ見つめながら「 あぁ、俺は椿と『思いっきり遊ぶ』ぞ。 」と真剣な眼差しで言い放っては会計へと歩を進めて。 )
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