匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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、……。
( 彼の言葉に、椿の蘇芳はまんまると大きく丸められて真白の頬はぽぽぽと薄紅色に染まる。自分のことが好きだと言われた訳では無いのになぜだか心の臓が大きく高鳴り、それと同時にきゅうと締め付けられるような感覚すらする。此方の全てを見透かしてしまうような涼し気な視線を受けて椿は何度かぱちぱちと瞬きを繰り返した後に彼の黒瑪瑙から逃れるようにふい、と視線を逸らしては「 で、では赤色の扇がいいです、ね。 」 と少したどたどしくも成る可くいつも通りの振りをして扇たちの方へと向き直り。だが大人しく扇を吟味できるような精神状態ではなく、まだ火照っている感覚のする陶器の頬を白魚の両手でそっと包めば早くこの熱を引かせようとふるふる小さく首を振り。 )
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