匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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、…………ほんとうに、良いのですか?
( 尊敬する三味線職人の手懸けた最高傑作。これを自分のものに出来たのであればどれだけ良いだろうか。だがしかし名の知れた三絃師であるさるお方の最高傑作となれば値段も花魁と一晩遊べるような値段だ。こちらを覗き込んでくる美丈夫にキュ、と眉を下げては、言葉とは裏腹にまるで小さな子供が拾ってきた犬猫を飼いたいと強請るような蘇芳色の瞳を彼の方に向けて。目は口ほどに物を言う、とは言うがそれでもただでさえ身請けからここまで彼が自分にかけている金額は果てしないものであるのにそこから更にこの三味線を強請るなど口を裂けても言えるはずがなく。なにか返せるだろうか、と自然と考えてしまう脳はつい先日彼に急がなくていいと窘められたばかりなのにどうしても花街の女らしい生き急いだ考え方をしてしまう。だがしかし〝欲しい〟とただ一言甘ったるく囁くという花魁の手も使えるようなことはなく、椿は困ったように自身の主人の回答を待つばかりで。 )
( / いえいえ!本当に自分が無知で何も世の中を知らないだけですので、背後様はどうぞ気軽にお話して貰えたら幸いです…!! )
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