匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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とくべつなとき……、
( ふむ、と彼の言葉を復唱しながらそれぞれ貰ったヒントたちで自分の中の知りうる限りの建物を想像するも、矢張りどのヒントをとっても遊郭しか出てこず首を捻り。だって女を買うのはお金がかかるから特別な時だけって姐さんのお客さんが言ってたし。そんなこんなと思考の海にどっぷりと使っている間に目的地に到着したらしく、彼の言葉でふっと意識を浮上させては目の前にドンと鎮座する大きく上等な建物にぱちぱちと何度も瞬きをして。入らなくてもこの店には上等な人間しか入ってはならないというような謎の威圧感を感じるし、確かにこれは特別な時でなければ足を踏み入れてはいけないのかもしない、と少々怖気付いては、いつものように優しく差し出された彼の手におずおずと自分の手を重ねて車から出ると、「 あの、……私、ほんとに、ここに入っていいんでしょうか… 」と不安に揺れた蘇芳で彼を見上げてはどうしよう、と言いたげに問いかけて。 )
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