匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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っ、ひ、…
( ジン、と傷口にしみた消毒液にびくりと体を硬直させて小さな悲鳴を上げてはぎゅうと蘇芳色の瞳を瞑って。包丁の切れ味が良かったせいか、切った時の痛みより今の方が余程痛く感じてしまう。椿は生理的に出てきた涙で瞳に膜を張りながら、侍女でありながら主人に手当をさせてしまっている事実にだんだんと申し訳が立たなくなってきてしまい。「 ありがとう、ございます…。 」とよわよわ彼にお礼を言えば、怪我をし慣れていない自分とは対照的に手馴れた手つきの彼に慣れてるのかしら、なんてぼうっと考えて。遊郭では下手をしたら折檻というのが日常だったが、マァ当然のようにその後の手当に必要な消毒液だったり包帯などは支給されるはずもなく体に折檻の痕の残った遊女たちも何人書いた記憶がある。ここはそういったものは使っていい場所なんだ、と改めて再認識しては自分の手当を真剣な顔で進めてくれている彼を見つめて。 )
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